おもいつき
 
いきあたりばったりに。 日常とか
 


工作

笠間・陶芸体験教室

この前の週末、職場の後輩から陶芸体験に誘われまして。
この後輩は高校時代に部活で陶芸をやってたそうで、数年前から「久しぶりに焼き物が作りたい」とはこぼしてました。で、ここ最近ストレスがマッハだそうで、言動が「焼き物が作りたいっていうか土を練りたい」に変わってまして。なにやら怒りを込めて菊練りするとストレス解消に良いとのこと。パン生地を叩き付けながら捏ねるのがいいストレス解消になるとかいう話を聞くことがありますが、おそらくそれに近い感覚。
ところで「菊錬り」で検索しようとしたら「お前を菊錬りしてやろうか」というサジェストが出たんですけどこれはいったい。脅迫?

ということでストレスを土にぶつけに行くので笠間まで車を出して欲しいと要請が来たため、巻き込まれて一緒に行ってきました。

行き先は笠間の桧佐陶工房
GW中にいつも行っている陶炎祭会場からもほど近いところにある窯元兼、笠間焼作家の直売所兼、陶芸教室といった感じの場所です。
体験教室では電動ロクロ、手捻り、絵付けなどのコースが用意されており、今回我々が参加するのは電動ロクロ教室。
本来なら菊練り等の下準備が終わってロクロを回すだけの状態にセットされた粘土が用意してあるんですが、後輩はストレス解消がてら菊練りを自分でやりたいので予約の際にあらかじめ自分の分はセッティングが無い状態でお願いしたとのこと。

Mayugeは陶芸はもっぱら見る方と買う方専門で、ちゃんと焼くとこまでやった粘土細工は小学校の頃に市民教室に行った一回きりです。その時は手捻りだったため、実際に動いてるロクロを直に見るのは今日が初めてというレベルの初心者。ということでMayuge分は通常のコースで。



予約時間になったら一旦参加者全員を集めて講師の方からろくろの回し方から調節法、器を作る基本的な手順の説明が実演付きでありまして、あとは粘土を使い切るまで2、3時間勝手に好きなようにトライしてればいいというシステム。
教室内を常に数人の講師の人が巡回していて、分からないところを教えてくれたり、次の作品に移る際に土台部分の粘土を整えてくれたり、失敗して歪み始めた作品を(可能な範囲で)修正してくれたりとけっこう至れり尽くせり。

漏れ聞こえてくる声を聞いてると

 「このくらいの丼が作りたい」
 「ペアで湯飲みが作りたい」
 「大皿を作りたい」

とかわりと他のグループの人々は明確なビジョンをお持ちの様子。

 「とにかく土が練りたい」
 「べつに特に何が作りたいわけでもないんだけど」

というMayuge一行は明らかに異端。ところでさっき皿はけっこう難しいって言ってましたよ。大丈夫か大皿作るって言ってる人。



隣室でひとり怒りの菊練りを披露中の後輩をよそにさっそくロクロ初体験開始。

手順としては

 1. ろくろを始動して速度調整をし、粘土を水で湿らせる
 2. 作りたい作品サイズに合わせて使いそうな粘土の量を決め、目安の凹み目を付ける
 3. 親指で上面を凹ませる
 4. 親指で凹み目を広げていく
 5. 指を影絵の「キツネ」の形にして厚さ、形を整えていく
 6. ろくろを止め、糸を使って作品を粘土から切り離す

という感じ。
終わったら講師の人が残った粘土の上面を整えて次の作品に取りかかる準備をしてくれます。
いちおうカメラは手元に置いておいたものの案の定作業中に手に取ったりできるわけもなく。そんなわけで途中経過の写真はありません。

やってみると意外と簡単に思ってた以上に整った形のものができてきます。
ところが一度試しに土台を整える手順を自分でやってみたところ、最初からびっくりするくらいうまくいきませんでした。キモとなる部分がさりげなくサポートされいてこれが地味ながらがかなり効いてる様子。これで「楽勝じゃん」って思って自宅で始めたりしたらさっぱりうまくいかないという罠が見え隠れしてる気がします。

「思った以上に整った形のものができる」とは書きましたがMayugeに明確なビジョンが無いせいかなんなのか、「器を作っている」というよりは「粘土の形を整えてたら意図しない形の器が勝手に生成されていく」という感じ。なにこれ面白い。
あらかじめ木の中にいる仁王をなぞって彫り出す感覚(第六夜)」とでも言えば玄人っぽいですが、どちらかといえば古典落語の「鰻屋」の境地。目的地不明。



そんな感じで遊んでたらあっという間に2時間半くらい経過。粘土もほとんど無くなりました。
最後の一個は粘土を使い切るつもりで作品のサイズを決めるといいとは後輩の言。なるほどなー。ラス1作り始める前に言ってくれる?

手前の方に比較的綺麗にできたのが並んでますが、奥の方はわりとユニークなシルエットをした器となっております。
作り終わったら納得のいく出来のものだけを選び出して申し込むと、このあと2ヶ月ほどで乾燥、高台、釉薬などの加工をして焼いてもらえるそうです。
料金は従量制で粘土の重さで決まります。今回Mayugeは写真の手前4個を焼いてもらうことにしましたがこれで2800円くらいでした。これに基本料金のろくろ使用量2000円が加わって合計5000円弱。
釉薬の色は置いてある焼き上がり見本から選んでNoを書き込んだ紙を入れておくシステム。あと、希望に応じて日付や名前を底に書き付けてもらえるようです。Mayugeは頼まなかったんですがやってもらっても良かったような気があとからしてきました。

ということで巻き込まれて行ってきた陶芸体験ですがなかなか面白かったです。
もっと酷いものしかできないかと思ってたんですが意外とそれっぽいものができてくるのでけっこう気分良く作れます。何が出来つつあるのかは作ってる本人もよく分からないんですけど。
さすがに後輩は経験者だけあって仕上がりも綺麗で、予告した通りの形のものを作ってました。あ、何作ってるのか自分でも解ってないのはMayugeだけですか。



2015年4月3日(金)01:18 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

革砥(ルージュスティック)自作

革砥」という物がありまして。
Wikiの写真に載ってるタイプのは、なんかレトロな映画で理容師がこんな感じのもの使ってカミソリをチャキチャキやってるシーンを見たような気がします。
で、今回話題に出してるのはこれではなく、板に革を張り付けて作られたわさびおろしみたいな外見のやつ。ルージュスティック台とも呼ばれてるようです。
レザークラフト用の道具をいろいろ調べてるときに革包丁の手入れに使うものとして出てきました。ちょっと切れ味が落ちてきたなっていうときにこれで数回刃先を撫でてやると切れ味が手軽に復活させられるとのこと。まあMayugeは革の切断は今のところカッターナイフで済ませてるんで関係ない話ではあるんですが。

で、これが革だけでなく料理用の包丁の手入れにもけっこう良いという話をどこかで見かけ、しかもわざわざ買うまでもなく簡単に自作できるとのこと。ということで以前にちょっと試しに作ってみたことがありました。

材料は
  
  板  1枚(大きさは適当)
  革  1枚(板に合う程度)
  青棒 1個

板はダイソーでミニまな板と称して売られていたもの。革はリサイクルショップの片隅でたたき売られてたスウェードっぽいものの端っこ。今までに何度か革細工に使ってるやつです。ていうか順番的には最初に使ったのがむしろこっちだったんですが。
青棒は研磨剤をワックスで固めたような感じのもの。本来は電動工具での研磨に使うもので、ホームセンターの切削道具コーナーなどで売られてるようですが、近所のちょっと大きめのダイソーでも置いてました。

加工については革を板に合わせて切り、ボンドで貼りつけたら完成。
革は普通なら表にするツルツルの側(銀面)を板と接着し、毛羽立ってる側を表にします。今回使った革は両面スウェードっぽいのであまり考えずに使いましたが。



ボンドが乾いたら革に油を染み込ませます。刃物の手入れに使う油というとなんとなく椿油が本格的なイメージがありますが、うちには無いしこのためにわざわざ買うほどのこともないかなと検索したらオリーブオイルで代用してる人を見かけました。
ということでもこみちの地縛霊を祓うがごとくオリーブオイルを注ぎます。



革全体がイヤな感じに油でしっとりしたら青棒を革にこすりつけます。
青棒の成分が何なのかは知りませんが、クレヨンっぽい質感で油に馴染んで溶けるらしく、端から微妙ににゅるにゅる溶けながら革に擦り込まれていきます。革全体が青棒色になったら完成。



使い方は簡単で、包丁の刃を革砥にあてて背側に向けて引くだけです。普通に包丁を研ぐのと逆方向ですね。

で、最初に作ったとき、まず包丁を普通に研いでそのまま試し切りし、さらにこの革砥で軽くタッチアップして切れ味が変わるか比較してみました。しかしこれがいまいち効果を実感できませんで。
多少刃の通りが滑らかになったような気もしますが思い込みじゃないかといわれればそうかもという程度。なんか「包丁研いだあとに革砥で仕上げたら切れ味がぜんぜん違う!」みたいな文章を見て期待してたのでがっかり。
Blog用に作成途中の写真も撮ってたんですが結果がパリッとしなかったので収録もやめてそのまま台所の隅っこに掛けて放置してました。

で、先日、タマネギ切ってたら包丁の切れ味が落ちてるのが気になりまして。けどもう料理始めてるので今から改めて包丁研ぐのもめんどくさいし‥‥と思ってたら目に入ったのが放置されてた革砥。多少でも効果でもあればめっけものと軽く数回包丁を擦り付けてみたところ、びっくりするほど切れ味が回復しました。包丁研ぐ必要ないわこれ。

ということで半年放置されてた革砥の株が急上昇したので収録となりました。


材料費は板100円、青棒100円、革の端切れは算出不能。強いて言えば500円の革の十数分の一を使ったくらいで、材料費合計は300円未満。
青棒はダイソーになくてもDIYの店で500円程度で手に入るようです。一般的に売ってそうな場所に馴染みがないとすれば革の端切れでしょうけど、これに必要な程度のサイズならサンキの端切れコーナーで150~300円くらいで見かけたことがあります。どこでもあるものなのかどうかは分かりませんが。
ていうかこれぜったい革じゃないとダメ? なんかフェルトとかでも代用できそうな気がするんですが。洗車用の人工セームとか。ダイソーでも見たような気がするので本当にダイソー製品だけでも作れそうですね。

ということで安ければ2、300円、高くても1000円もかからずに作れるにしてはなかなかの効果。
市販のお手軽シャープナーとか包丁研ぎ器と称するものがどうも信用できないという方にお勧め。なんかああいうのって刃を荒らしてるだけに思えて使う気にならないんですよね。肉はよく切れるようになりそうですけど。あと手も。

たぶん普段ちょっと切れ味が落ちてきたら革砥でタッチアップして、それでも回復しなくなってきたらちゃんと砥石で研ぎ直してという感じで、砥石で研ぐのを数回に一回くらいに減らせそうな気がします。ていうか現状でも包丁を砥石で研ぐのなんか年に数回くらいしかやってないんですけど。



2015年3月24日(火)00:08 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

ツグミ消しゴムはんこ

ふと思いついてなんとなくツグミを簡略化して落書きしてみたところ、シンプルに仕上がってわりと気に入ったので久しぶりに消しゴムハンコ作成。

ツグミは冬になると飛来する渡り鳥で、警戒心が強いわりに人里近くを生活圏にしていてこの季節にはよく見かけます。エサを採るために地面をひょいひょいと歩き回ってることが多いのもよく目にする一因。
人の気配などを感じると胸を張ったような姿勢で斜め上を見上げる独特の警戒姿勢を取り、しばらくそのまま固まってます。
ちなみにこの時にカメラを取り出すとそのまま徒歩で逃げていきます。たまに低く飛んで逃げることもありますが、どちらの場合も数m向こうに逃げる程度でまた斜め上を見つめてじっとしてます。

この警戒姿勢がちょっと空を眺めてぼーっとしてるようにも見え、また、顔には眉毛を思わせる白いラインが入っていて擬人化しやすいため、ずんぐりした体型も相まってなんとなく愛嬌を感じる鳥です。



ということで思いついて即描いたラクガキを元に鉛筆で清書、さらにそれをハンコ用に太線にしたものを描き直してダイソーのハンコ用消しゴムに押しつけて転写。図案は例の警戒姿勢をイメージしてみました。消しゴムは以前に使ったやつの残りの切れっ端から。


転写したラインを極細ボールペンでなぞったあと消しゴム彫り。
切削はMayuge的には基本的にデザインナイフ一本でやるのが性に合ってるようです。もちろん場所や形によって使い易い道具なんかもありますが。
今回は目の丸いラインだけポンチを使用して残りはデザインナイフです。



休憩やよそ見を含めて1時間ほどで彫り行程終了。
とりあえず試し刷りを、と思ったらハンコとインク一式職場に持って行ってそのままでした。
まあシンプルなデザインだし修正必要な場所もなさそうですが。

しかしwebに公開されてる自作ハンコ眺めてると、作家さんの作品は線自体もさることながら余白部分の処理に迷いが無くて切断面が本当に綺麗ですよね。旋盤なの?
押される絵にはぜんぜん関係ない部分なんですけどプロっぽさを感じます。



ということで後日あらためて試し刷りをして台木も付けたので最初のラクガキから下描き、完成品までまとめて。
分かる人にはなんとなくツグミではないかと思ってもらえるような雰囲気になったんではないかと思います。

本来はハンコとしての使用を考えた図案ではなかったので、そっちについても近いうちに試してうまくいったら収録します。



2015年3月10日(火)00:36 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

氷(バレエ小道具 2012)

2012年のバレエ小道具としての他にもう一件、氷。
工作の手間的にはむしろこっちがメインでした。
氷の精があひるの子を取り囲んで氷詰めにするシーンがあるらしく、バラバラのパーツを組み合わせると人間を一人閉じ込められるくらいの氷になるイメージだそうで。

 「六角形か、できれば八角形でね、8人が三角形のパーツを持ってきて、なんていうのかしら、モンゴルの‥‥」
 「ゲルですか」
 「そうそう、あんな形に組み合わせられるように作れないかしら」

話を聞いて大人で想像したためサイズ的に難しいんじゃないかと思ったんですが、子供がしゃがんだ状態で収まるくらいで、せいぜい高さ1m弱くらいとのこと。そのくらいなら何とかなるかも。



材質は加工性から透明塩ビ板を使うことにして設計に手を付けてみたんですが、よく考えたら微妙な角度を付けつつ立体に組み上げるためには非常に微妙な角度の三角形と台形を複製しないといけなくてけっこう面倒かも。
最初は角度を算出して切り出して、と考えてたけどそれを正確にやるには小学校の授業で先生が使うようなでっかい分度器が必要になりそう。
ということで紙で立体のミニチュアを作ってこれを分度器代わりに拡大パーツを作る方向で。
まず一番上がコピー用紙で適当に作った手のひらサイズの1/10模型。
あとはミニチュアを使って各パーツの角度を決めつつひたすら塩ビ板切り出し。



切り出し終わったら接着。
塩ビ用接着剤は溶剤系なので面同士がぴったり密着させられるようなパーツは強力に接着できるんですが、外壁をこれで接着できるようにするとなると、八角形の内角が135°だからその半分で67.5°、さらにそれが微妙に適当な角度で八角錐になってる場合、板の断面をいったい何度に削ればぴったり合うようになるんだ。ていうかそんな加工うちにある手引き鋸と棒ヤスリでできるわけあるか。
めんどくさいのでどうするかなーとホームセンターを眺めてたら透明なコーキング剤発見。断面を正確に加工するのはあきらめてこれで適当にスキマ埋める方針で。

あとは合体させたときにどうやって崩れないようにするかですが、最初はフックが隣のパーツに引っかかるような構造を考えたものの多分すぐ壊れそうなので脳内設計の時点で却下。磁石を仕込んでパーツ同士がお互いにくっつく方向に修正しました。
あと密閉されると中の人が息苦しそうなのでパーツから横向きにネジを出っ張らせ、そのネジが隣のパーツの磁石にくっついてちょっとずつ隙間が空くような感じで。



組み上げてみると思った以上に透明で存在感がなかったため、表面にアクリル絵の具でなんとなく氷っぽい模様をペイント。
本当に氷っぽいのかこれがって問い詰められるとなんとも言えませんがMayuge製作ではこの辺が限界ですので。



あひるの子を捕獲せんと踊り回る氷の精の集団。ここだけ切り出すとなにやら怪しげな宗教団体のようですが。
あと氷を割ってあひるの子を救出するおっさん。よく考えたらMayugeの知ってるみにくいあひるの子にはこんなシーンはなかったような気もしますがそこはそれ。

ということで2年前はこんな感じで主に人が隠れる系の小道具作ってました。



2014年12月11日(木)01:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

アヒルの卵(バレエ小道具 2012)

採集生活というBlogがありまして。
管理者のFujikaさんは食への探求心とDIY精神に溢れた方のようで家庭菜園からキノコ採取、料理レシピ掲載、日曜大工と様々な活動が日々記録されています。
というとほのぼの日常日記に聞こえますが家庭菜園を作れば品種まとめ表ができ、料理を作れば聞いたこともない異国料理がまろび出豚の足丸ごと一本使って生ハム作成が始まり、部屋の模様替えをすれば明らかに日曜大工の域を越えた工事が始まり、なかなか目が離せない事態となっています。
Mayuge内ではFujikaさんはMayugeとニケを足して2で割り忘れたような人間像でイメージされていますがそれはさておき。

もともとはヤマドリタケモドキを採取しはじめたあと、調理法を調べていてBlogに辿り着いたんだったと記憶しています。たしかレシピを載せてるBlogからキノコの提供主として採集生活へのリンクがあり、さらにキノコ採取記事を読んでみるとどうも見覚えがある気がする柵が背景に写っていて、記事を色々遡ってみたらおそらく生活圏がMayugeとかなり重なってる方だろうと思われまして。
その後も採取やら工作やら料理やらで検索する度にしばしば記事が引っかかることからついでに過去ログも読み、新規記事もチェックするようになってました。
で、先日、きのこネタがあったのでなんとなくコメントしてみたところ、逆にこちらのBlogも数年来見ていると言われてしまいまして。こちらが検索すれば向こうの記事によくぶち当たるということは逆も起こり得る道理。

ということで特に工作カテゴリの記事を楽しんでいただいてるようで、2年ほど前にやったけど記事にしそびれてまあいいかとそのまま放置してた恒例のバレエ小道具のネタをリクエストされたのでこの機会に収録。



2012年の発表会の演題は「みにくいあひるの子」。
どんなシーンで使う物をどうやって作ったのかはこの写真一枚でおおむね伝わるのではないかと思います。
材料はベニヤ板、板きれ、発泡スチロール、紙粘土。

ちなみに端っこに写ってる小さい机みたいなのはVIC's D.I.Y.さんで設計が公開されている改良版作業台。ちょうどこの工作を始めるちょっと前にサイトに行き当たり、便利そうだったので作りました。のこぎりで材木切る場合なんかのために2個セットで作るのが良いようですがそのうちもう一個作ろうと思いつつそのまま。
こちらのサイトも日曜大工的なことをする際に非常に参考になる情報がてんこ盛りな上、読んでると色々と工具が欲しくなります。



ベニヤは3mmほどの薄いものを使ったのでカッターナイフでゴリゴリ加工。
発泡スチロールは今回は5cm厚の板を買ってきて使用しました。職場に山ほどあった発泡スチロール箱のうちめぼしい物はだいたい三輪車七面鳥ネズミになりましたゆえ。
ベニヤ板に合わせて卵形に切り抜いた後、外周を削ってやや立体感のある浮き彫りに。



発泡スチロールの表面に紙粘土を貼り付け、さらに水でゆるめに溶いた紙粘土を指で塗りつけて表面を滑らかに。いっそこのままの方がなんか卵っぽい質感なような気もします。
卵から生まれたひよこがサ○エさんのOPみたいに殻を頭上に掲げて踊るシーンがあるとのことで、裏側には取っ手代わりの板が突き出てます。



乾燥後、アクリル絵の具で色付けし、ニスで表面を固めて完成。
通常卵はあひるだからということでダッグエッググリーン気味で、みにくいあひるの子の卵だけ若干大きめで灰色になっています。
足元の草はプラダンの表面に画用紙を貼ってそこにアクリルガッシュで絵を描きました。

完成後に判明した難点として、紙粘土は乾燥後の強度が意外と低く、移送中にぶつけたりすると簡単に凹みそうです。
なんか子供の頃に使った紙粘土はもっとガチガチに固くなったような気がするんだけど気のせいだったのか素材違うのか。

あと現場では卵本体よりも下草の部分の絵がなぜか評判が良かった様子。



2014年12月11日(木)01:36 | トラックバック(0) | コメント(2) | 工作 | 管理

ナイフポーチ作成(レザークラフト)

震災のあと、Mayugeもご多分に漏れずなんとなく非常用と称して防災グッズなど買ったりしたクチでして。
まあ実際のところMayugeが震災から得た教訓としては、「サバイバルグッズめいた防災用品なんか買い込むくらいなら日常の備蓄を多めに置いておく方がなんぼかマシだな」ってところなんですがそれはそれ。ちょっと欲しい気はするけど実用的じゃないからと我慢してたものを防災という錦の御旗の元この機会に買ってしまおうという程度の話です。

そんな折にたまたま開いた動画で見たのが「空き缶などで煮炊きをする場合、ペンチ機能が付いたマルチツール系ナイフがあると火にかけた缶を取るとき非常に便利」という情報。自宅に鍋とカセットコンロがあるのに空き缶を使って直火で調理する必要がある状況がどうにも思いつきませんが防災のためとあらば仕方ありません。
ついでに言うと工作の関係上自宅にはペンチだのラジオペンチだのが5、6本ありますね。いや必要だわー。マルチツールないと缶が取れないわー。軍手じゃ心配だわー。防災のためとあらばやむを得ないわー。
以前から時々書いてますが、使いもしない妙な機能をコンパクトに無理矢理詰め込んだようなものが好きなんですよね。なんとなく。

ということでLEATHERMANのSkeltoolというマルチツール系のナイフがありまして。マルチツールとしては機能は抑えめですがステンレスのボディを堀越二郎の怨霊でも取り憑いたかのような勢いで肉抜き・軽量化した独特のフォルムで、ぱっと見どこをどうやって使うのかさっぱり分かりません。

前置きが長くなってきましたがこれを防災にかこつけて購入し、防災グッズ入れにしばらく放り込んでました。
その後、せっかく買ったんだからとキノコを採取する際のマッシュルームナイフとして活用するようになって現在に至ります。

やっと本題。そのスケルツールにナイロン製のナイフポーチが付属してたんですが個人的にはこれが微妙に気に入りませんで。たぶん他の商品に流用する都合もあるんでしょうけど本体に対して無駄に大きい気がしたんですよね。
で、先日のリュック修理の作業中に突然思いついてそのまま同じスエードを使ってナイフポーチの作成を開始しました。
写真は左からスケルツール本体、今回自作したもの、商品に付属の既製品。並べてみるとたいして小さくなってねぇな。



まずはどんな形にするかその辺の紙に落書きしながら思案。元々付属してたやつとネットで見かけたどこかのナイフメーカーの付属のものの中間のようなデザインにナスカンとベルト通しを付けたような感じに。あと左右にそれぞれペン差しとストラップか何か付けられるようにDカンを追加。マジックテープもベリベリうるさいからマグネットボタンに変更するとしたら革を二重にしたいのでついでにそこをポケットにして‥‥と思いついたことを羅列したらなんとなくシルエットが定まってきました。


構成が単純なこともあって図面引くのも面倒な気がしてきたのでそのまま大雑把に各パーツのサイズを決めて型紙無しの一発切り出し。
今回はマグネットボタンは100円じゃないやつ。といっても230円くらいですが。
100円品とどの程度違うもんなのかと試しに買ってみたんですが、磁力がはっきり分かるくらい違ったので今後は用途によって100円品とメーカーものを使い分けていこうかと思います。
蓋部分になにかワンポイント欲しいなーと思ってたら突然思いついて以前に作ったMayugeはんこをヌメ革の端切れに押して貼付。インクはStazOnを使っています。帆布カバンの端っこにでも付けようかと思って用意してたんですがこれはこれで。
写真中段が主要パーツが揃って最後の縫製前に並べてみたところ。作業の序盤を一気にやっちゃったので写真忘れてたんですよね。
さらに一番下が最終工程直前。



縫い上がりとスケルツール本体。
行き当たりばったりの現物合わせ工作のわりにけっこうそれっぽくできたんではないでしょうか。
そういえば防災用品と称して買い込んだ中にメタルマッチもあったのでDカンに一緒に付けてみました。ちょっと気の利いた火打ち石といったもので、これを使って火おこしすると非常に通っぽく見えます。一般的にはたとえ文明が滅亡したとしても100円ライターの在庫が切れるまでわざわざこれを使う意味はない気がします。Amazonで200円程度からと意外と安く買えるようなので一個買ってみました。

工作中、あたりを付け損ねてケースの長さが足りないんじゃないかという疑惑も発生したんですがそんなこともなくきっちり収まる様子。
ボタンを付けるために革を二重にするついでに意味もなく作ってみたポケットですが、メタルマッチのストライカー(上の写真で手前にあるしょぼい栓抜きみたいな金属板)が収まりそうでちょうどよかったかも。
あとは上蓋の内側も軽くポケット状になってますが、さすがにこちらは使い道は無さそうです。



蓋を閉じた状態で表裏。
相変わらず縫い目に乱れとかありますがまあ手作りの味ということで。
ベルト通しをジャンパホックで脱着できるようにしてみたんですが、例によってこれを革に打ち付けるための金具が材料費の合計を上回っています。1000円未満程度の話ではあるんですがなんとなく間抜けな感じが。

せっかく完成したところではありますがMayugeが採取しているアンズタケ、ヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリタケはいずれもそろそろシーズン終わりっぽく、今シーズンの出番はなさげな気配。



2014年10月6日(月)22:54 | トラックバック(0) | コメント(2) | 工作 | 管理

リュック修理

斜め掛けするタイプのちょっと小ぶりなリュックを1個持ってまして、自転車で出かける際などに重宝してました。
うろ覚えですがたしか東京お宝市場に行ったときに買ったんだったと思います。ニケに山賊というニックネームが付いた記念すべき日ですな。

で、買って数年経った頃、外ポケットの上蓋を止めてたプラスチックの留め具が割れまして。
ポケット自体はファスナーで閉じる構造で上蓋はさらにその上を覆ってるだけの飾り要素の強いものではあるんですが、留めないとパタパタぶらぶらして気分の良いものではなく難儀してました。
で先日、某リサイクルショップでちょっとへたった感じのグレーのスエードの一枚革が安く叩き売られてるのを見かけまして。ていうか4年くらい前にバレエ工作の材料探してるときに見かけて記憶の片隅に残ってたのを唐突に思い出しまして。
安い革が手元にあれば気軽にレザークラフトの練習なんかもできるだろうと購入してみました。
そしてふとそのスエードとリュックが似た色なことに気付いたため唐突にリュック修理作戦。



型紙は現物合わせの即興で適当に作り、これに合わせてカッターナイフで革を2枚切り出し。
あと以前にたぶんセリアだったと思いますが100円ショップの手芸コーナーで見かけて買っておいてたマグネットボタン。
何だったかで使おうと思って買ったものの結局使わず、工具箱で眠ってたものがやっと日の目を見ました。



工作は非常に単純なもので、マグネットボタンを付けた革を金具を挟み込みつつ二つ折りにして接着、縫い合わせるだけ。
なんか金色の木の輪みたいなのは何年か前にたぶん貴和製作所で衝動買いしたもの。
せっかくなので何かワンポイントでもと思って工具箱を漁ったら出てきました。



思いついた翌々日には完成。
上蓋が無意味にパタパタしなくなって満足です。

あ、今気付いたんですが表面に無意味に縫い付けてるだけの飾りが材料費の半分以上を占めてますね。
まあ衝動買いの死蔵品で、これのためにわざわざ買ったわけではないのでいいんですけど。



2014年10月5日(日)23:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

瓶詰めフィギア

遅めの夏休みで実家に帰ってました。

さて、瓶詰めフィギアの作り方とかいう記事を2、3年前に2ちゃんまとめサイトで見たのがなんとなく記憶の片隅に残ってまして。
先日必要なものがあってセリアに行ったら100円でボーカル瓶のミニチュアみたいなのが売っててちょうどよさげだったので購入。

一方、海洋堂のガチャガチャでプランクトンシリーズというのがちょっと前に出てまして、これのミジンコが欲しくて見かけると時々やってました。しかし結局一個も出ず、ミドリムシだのゾエア幼生だのばかりが手元に溜まっていく日々。あ、上司が4回やって3個ミジンコ出しやがりましたよ。どうなってんだあんた。

上司は海外の学会とか行くとミジンコ研究仲間へのフィギア配布活動にいそしんでいるため、ミジンコフィギアの在庫はいくらあっても間に合わない様子。



ということで手元にある重複品を瓶詰め。
ゲルは観葉植物用のジェルビーズを使用しました。こちらも100円。
ビーズを小瓶に半分ほど詰め、そこにフィギアを埋め込みます。瓶の中央辺りに真っ直ぐに配置しようとすると意外に手間取る感じ。ビーズの粒が小さいものの方が使いやすそうです。
配置に納得がいくまで微調整したらビーズを瓶いっぱいまで追加し、水を入れると思った以上に透明になりました。仕組みを知らなければぱっと見にはビーズに気付かないと思います。



あとはミドリムシは見栄えがしないので放置して、かなり昔のMIUにオマケで付いてたボトルキャップのメンダコを瓶詰め。
やっぱりミジンコを瓶詰めにしたいところですがさすがに最近このシリーズも見かけないんですよねぇ。

あと、まとめサイトの方で「フィギアがカビてきた」と書いてる人がいますが、たぶん緑藻が生えただけです。洗え。
まあ日当たりの良いところに置いてるとそうなるんでしょうけど、個人的には見た瞬間に「作るときにアジ化ナトリウム入れればいいんじゃね?」と思いました。生化学系の出身者なら十中八九同じことを言うかと。
そういうわけにもいかないので塩でも入れておけばいいと思います。ゲルが濁るかな?

とりあえず面倒なので現在は微生物ノーガードでそのまま職場のデスクにディスプレイ中。



2014年9月29日(月)01:20 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理

革パスケース作成

土地柄あまり電車を使わない生活をしてることもあってMayugeは今までSuicaを財布に入れっぱなしにしてまして、改札通るときも毎回財布をかざしてました。で、出かけた折に同じように財布でSuica使ってるらしい人が改札前で小銭を盛大に撒き散らしてるのを見てその危険性を認識しまして。なんか気に入るパスケースでもあれば買ってみようと思い、もののついでなどにちょこちょこ眺め始めたのが1年ほど前。
しかしどうせなら財布を無駄に分厚くしてる職場のカードキーだの使用頻度低めのポイントカードだのバスの回数券だのもそっちに移したいとか考え始め、ちょっと収納力大きめでできるだけ薄くて色とか好みのもの‥‥とか注文を付け始めるとなかなか「これだ!」という物に逢えないのが実際のところ。
で、ちょうどスマホケース作ってみて気をよくしてるところで思いつき、例によって好みの物がないなら作りなさいの精神発動。

財布とかパスケースはレザークラフトの定番品なため、最初に買った入門書やサイトなどを見ると作り方の情報は色々と手に入ります。
スマホケースはわりと思いついてすぐに突っ走ったため、情報収集はあまりやらずに手を付けてしまい、むしろ今回初めてレザークラフトについて具体的に検索してみた感じ。

どうでもいいことですが今回作成のためにSuicaを財布から引っ張り出してみて、IOカードという単語をそうとう久しぶりに目にしました。



ということで写真上段、脳内で色々練っていった結果、だいたいこんなもんだろうと考えがまとまってきた辺りでパーツの齟齬を確認するために概要図を手描き。やっぱり脳内設計図をこうやって図にしてみたら省略できる部分が見つかったり、物理的に縫えない構造が見つかったりするため、改変部分をまとめてちょいちょいと何度か修正。
真面目にレザークラフトをやってる方々の型紙などを見るとポケットなどもすべて革の組み合わせで作るのがセオリーっぽいですが、実際に持ってる財布などよく見てみるとポケットの内側なんかは布を使って厚みを抑えてあったりします。革を重ねるとあっという間に厚みが増えていくんですよね。Mayuge的にはべつにレザークラフトを極めたいわけじゃないし、正道とか邪道とか気にしないので布ポケットを採用することに。

で、さらに今回パスケースを作るにあたって下調べがてら色々検索して回ったところ、フリーのCADソフトを使って型紙を作る方法が紹介されてるのを見かけまして。Mayuge的には今までCADとか敷居が高いイメージだったんですが、ちょっと便利そうだったのでせっかくフリーだしとAR CADを導入してみました。やってみたらこのくらいの作業ならPower pointで図を描くのに毛が生えた程度。ぴったり大きさが合った図がどんどん量産できるんだから使わない手はありませんな。幅の揃った部品とか同じ形で数mmだけ大きい部品とか左右が反転した部品とか色々必要になるため、やっぱり手描きで型紙作るのとは雲泥の差。あと試行錯誤もしやすいですし。個人的には今回の作成で一番の収穫かも。

ということで図面と脳内作業工程もまとまってきたので作業開始。下段写真がCADからプリントアウトして切り抜いた型紙と切り出し終わった革。
なんか革細工の各工程をどの順でやっていくのが正しいのかいまいち分からないんですが、今回は切り出し→染色→染料止め加工→床面仕上げ→溝彫り→接着→手縫い→コバ面仕上げ→加工で剥げた部分の再染色・染料止め、と進めてみました。本とか見てると染色したあとの革をガンガン切ったり彫ったり削ったりして、その後の処理について特に何も触れてないんですが、切削面から出てくる地色どうしてるんですかね。中まで染まってる革前提なんでしょうか。表面しか染まらないMayugeのやり方が染色として何か根本的に間違ってるんでしょうか。
素人の我流だと地味な部分に色々疑問が。



スマホケースはヌメ革の生成りで仕上げましたが今回はまず染色から。デジカメの革カバー計画のために染料は買ってあったので、これに考えてた焦げ茶→赤茶のグラデーションの練習がてら。使用したのは水性染料のローパス バチックの茶色と赤と黒。アルコール染料と悩んだんですが、まあ扱いが手軽な水性染料でいいかと。
水を含ませた革の表面に赤茶色を塗りたくり、深みのある感じになってくるまで重ね塗りを延々と繰り返します。染料の液体はかなり鮮やかな濃い色をしてるんですが、一回一回の塗装では拍子抜けするくらい革には色が付かないですね。写真上段はだいたい納得いく色まで染まってきた辺り。
作業中、何回塗っても色ムラが消えない場所があると思ったら、革の裏側まで水が染み込んでるか染み込んでないかの地色の濃さの違いが透けて見えてるだけでした。乾いたら同じ色に。紛らわしいのでそれ以降は全体を裏までしっかり水浸しにしてから染色しました。

あとスマホケースを作った際に「キノコモチーフが無いなんてMayugeじゃない」とのコメントをいただいたのでキノコ。
刻印を打ち込むのはレザークラフトの定番ですが、以前に購入した亜鉛スタンプがこれに使えるんじゃないかとふと思いまして。金属部分薄いし打ち付けるのはちょっと不安だったので、軽く湿らせた革にハンコをクランプで押しつけて一晩放置。おおむね期待通りに仕上がりました。
写真下段左側がクランプで型押し中の様子。

表面の処理が終わったら革を乾かして表面にレザーフィックスを塗り、染料を固定します。表面にツヤが出て一気にそれっぽく。
さらに乾燥させた後裏側の床面処理。あ、ここ写真撮り忘れて一気にやっちゃってる。
教本的にはこの床面処理を最初にやることになってたんですが、なんとなくそうするとうっかり銀面に付けちゃったトコノールでその場所だけ染色されず、斑が残るという失敗をやりそうな気がしたので今回は染色の後にしてみました。
床面にトコノール塗って裏返しの革をガラス板でゴリゴリこすって処理してたら、革の切れ端が下敷きになってて革の表面に凹み目ができました。失敗orz。
パーツを縫い合わせたら見えなくなる場所だしまあいいか。作業場は綺麗にしながら使いましょう。

さらに下調べの時点で必要かどうかも分からないままステッチンググルーバーを買ってしまったため、無理矢理活用するために縫い溝を掘ってみました。工具の中では値段が高い方なので買ったからには使わないと。
あと接着する部分は表面がザラザラの方が接着剤の食いつきが良いため、接着予定部分をカッターの刃でゴリゴリやって表面を荒らします。ここまで終わった状態が写真下段右側。
染色したところに溝を彫ると染色できてない下地が出てきて非常に目立つため、結局あとからここを染め直すハメになりました。順番失敗した。けど本に書いてある行程は染めた後に溝彫りなんですよねぇ。まあどうせコバ面の仕上げは最後にやらないといけませんし、そこに色付けるついでにやればいいからたいした問題ではないのかもしれませんが。



ポケットは最初普通に布を考えてまして、以前に魔女三輪車デコったときに余ったナイロンの布でも使おうかと思ってたんですが、実際作業してみると布ってけっこう伸び縮みして歪んだりするため切り出しに苦戦。あと薄手のナイロン生地でも折りたたんで重なってくるとけっこうな厚みが出てきます。
そうこうしてるうちに「べつに重い物入れるわけじゃないしもっと手軽な素材でも問題なくね?」という気がしてきて頭に浮かんだのが不織布。具体的なイメージとしてはCD-ROM袋の裏地部分のアレ。エコバッグとかであの素材のやつがたしかあった気がすると思ってダイソーを見に行った結果、不織布のラッピング用紙を発見。材料をこれに切り替えました。
ということで写真上段中段、図面に合わせて不織布を切り抜き、ボンドで貼り合わせたあと縫って補強。縫うか貼るかどちらかでもいいような気はしますがまあ念のため。これを図面通りに革にボンドで貼り付け、革を縫う際に一緒に縫い込みました。
手順的にはまず内側の革の裏に不織布でできたポケットを下の段から順に縫い付け、すべて縫い付け終わったら外側の皮と接着してクリップで固定して1日放置。このあと菱目打ちで穴を開けてあとはひたすら手縫いという感じで。この辺が写真下段。
高校生の頃に何となく買ったプラスチック製のオモチャみたいな万力が今回初めて本格的に役に立ちました。

ちなみに今回使用したボンドはウルトラ他用途S・U ソフト
革細工用に吟味したとかいうことではなく、しばらく前、ポロプロピレンも接着できるという売り文句に惹かれて特に使い道もないのに何となく購入してみてたのをこの機会に試しに使用。
様々な素材に使える、無色透明、接着後も柔軟性があるなどの点で色々使いやすそうな接着剤です。使い始めたとこなので接着力や耐久性については未知数。

不織布パーツは革パーツより0.5mmほど小さく切り抜いてあります。最終的に仕上げたとき、コバ面から挟まった不織布がサンドイッチの具みたいに見えてると目立ちそうだと思ったので。布だと線を引いたり切り抜いたりする度に微妙に伸び縮みして歪むため、この微調整が難しかったんですよね。不織布だと紙と同じような感覚で扱えるのでわりと簡単でした。

すべて縫い終わったら400番くらいの紙ヤスリを平らなところに置いてコバ面を平らに削り、染料を筆塗りして色を表面と合わせて染め直し。あとついでにステッチンググルーバーで掘った溝部分も染め直してレザーフィックス処理。
2度手間になるから今度から染めた革にステッチンググルーバー使うのやめよう。

染料が乾いたらコバ面にトコノールを塗って擦り、ツヤが出るまで磨いて完成。



ということで完成。

工夫ポイントとして3段あるポケットの切れ込みが1段ずつ微妙に左右にずらしてありまして、カードを入れると斜めに列んで後ろカードが何か分かりやすいようにしてみたんですが、ずらし具合が微妙すぎて効果がいまいちでした。次作るとしたらもう1mmほどズレを大きくした方がよさそうです。あと、せっかくならもう1、2mm大きく作っておけば名刺が余裕をもって入れられたことに完成してから気づきました。まあ今でも入らなくはないんですが、ちょっと出し入れに手間取るギリギリ感。
あとがんばってグラデーション付けて染めたんですが、カード類を入れると大部分が見えなくなります。

まあとりあえず好みな感じの色合いとグラデーションにできたのでひとまず満足です。
市販品では

 ・シンプルなデザイン
 ・赤茶色系のグラデーション
 ・リードとかチェーンが付けられるDカン
 ・2つ折りで内側に多めのポケット

という希望をすべて満たしてくれる商品がなかなか無かったための自作となりましたが、チャレンジしてみた甲斐はあったと思います。

あと、作業の感想として、革の断面の角を丸く削るための道具で彫刻刀の丸刀を裏返しにしたような縁落としという工具があるんですが、この作業、紙ヤスリじゃダメなんか?という疑問が。Mayugeは縁落としで削った後に結局紙ヤスリで整えたんですが。
いきなり買いそろえてしまう必要はなかったかも。



2014年3月31日(月)02:48 | トラックバック(0) | コメント(2) | 工作 | 管理

スマホ用革ケース

先日というか夏くらいにスマホを導入しました
機種はちょっと前のXperia Z(SO-02E)。
で、本体にはカバーではなくバンパータイプのフレーム枠みたいなのを付けたんですが、鞄の中に放り込んでおく時にはガラス面の保護のためになんかぴったりしたケースが欲しいなと思いまして。
しかし枠が付いてるせいでぴったり収まるケースなどあるはずもなく、それならということであるもん使いなさいの精神と無ければ作りなさいの精神。
ちょうどうちに革細工用の道具一式とヌメ革が1枚あります。

なんでそんなもんがちょうど家にあるんだって話ですが、以前にちょっと触れたデジカメ買い換えの際、情報収集中に見かけた革カバーに非常に惹かれまして
ただ、いくつか出ているこれらのカバーについて、「こっちの形でこの色があればなぁ」という感じでいまいちこれだ!と定まりきらず、結局購入には至っていません。で、そうこうしてるうちに「安めのカバー買うくらいの金額で材料と工具一式買えるな」と思い、とりあえず基本的な工具一揃えを買ってしまいまして。製作も開始してたんですが、途中でもくろみが外れた部分があって加工を中断し、そのまま放置してるのが現状。



ということでとりあえず革細工の練習を兼ねてちょっとスマホ用ケースを製作してみることにしました。
いちおう入門用の革細工の本なども買ったんですが、ちょっと作りたい形の都合で変則的な加工をしてます。

まずはベニヤ板をスマホと同じサイズに切り出し、重ねて貼り合わせて厚みもスマホと同じにします。1枚目の写真のあと微調整のために厚紙を追加したので中段の写真では表面が白くなってます。
この型に合わせて革を切り出し、両面テープで型に貼り付けてそのまま型ごと菱目打ちで穴空け。この辺が変則。
菱目打ちは3mmピッチの6本打ちと2打ちを使い、防音の良くないアパートで夜中の作業なので木槌は使わず、体重をかけてグッと押し込むだけで。
作業音を考えて菱目パンチも買ったんですが、この形状では使えないので今回は出番無し。

革細工というと普通は縫い代が外側に出ているものですが、スマホが5インチのちょっと顔面のでかい機種なので、できればこれ以上投影面積を大きくしたくありません。しかし革は布と違って「縫ったあとに裏返す」というわけにいかないのが厄介なところ。まあべつに裏返すのも不可能ってわけじゃないでしょうけど。



とりあえず目打ちが終わって型からひっぺがした革の底辺部分を縫い始めます。
ここで問題発生。型に貼り付けるときに使った両面テープの粘着材が革の裏地と馴染んで取り除ききれず、革の裏側が微妙にベタベタします。次回から仮止めには両面テープ禁止、もしくはダイソー以外のやつで試してからで。

で、中段が変則作業その2。裏返せないなら4辺同時進行で縫製すればいいじゃない。革細工は糸の両端に針を付けて交互にクロスさせながら縫い進むため、2本x4辺で合計8本の針を同時に使うことになり、非常にごちゃっとした見た目になってます。

そのまま最後まで縫い進めて完成。
脳内で考える分には簡単でしたが、実際に作業をやってみると2本の針を使って作業してる間、残りの6本の糸と針がブラブラしてて非常にうざったいです。


8本の針を付けて作業を始めたときにはどうなるかと思いましたが、慣れてくればけっこうなんとかなりました。
よく見ると縫い目が乱れてたりいかにも素人仕事という感じではありますが、初心者が初挑戦のくせに基本を無視した変な構造にチャレンジしたにもかかわらず、無事に完成までこぎ着けただけ上等としておきましょう。
製作着手から完成まで3ヶ月半、実質作業日は1週間ほど。大部分は細部の構造を脳内で練ってた時間と革に穴を開ける作業の際の騒音対策をどうするか考えあぐねて放置してた期間です。試しに体重かけて押してみて、それなりに穴が空くことが確認できたら2日で完成しました。

端っこの丸い穴は着信ランプの確認用。シルバーの葉っぱは以前に貴和製作所で買ったアクセサリパーツで本来は何用なのか不明。

両面テープの粘着材は2週間ほどはけっこうベタベタしてましたが、だんだん剥がれてきたのか使ってるうちにだいぶマシになりました。ただしいまだに完全には無くなってない様子。

「革細工で縫い代を内側にする」という工夫については、たぶん一般には「? それが?」というようなピンとこないポイントである上、効果としては「横幅が4mm小さくできた」という程度で、苦労のわりには伝わらない感が強いのではないかと思います。思い付いたからやってみただけという。

ついでに1枚目の写真のストラップはガチャガチャのブンチョウストラップからシロブンチョウのもち寝。
昔文鳥飼ってたせいかこのシリーズが妙にツボってます。



2014年1月9日(木)01:23 | トラックバック(0) | コメント(2) | 工作 | 管理


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