パクチーハウス東京 |
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| 「パクチー専門店っていうのがあるらしいー!」
とかニケが騒ぎ出したのがたしか去年の夏ごろ。 ニケは周知の通りクセが強めのエスニック食品大好きで、ドリアン丸ごと買ってきて一人で食ったりしてる猛者であり、当然パクチーなどもかなり好んで食べます。
Mayugeはエスニック料理はわりと好きですが、パクチーに関して言えば、なんとしても食わねばなるまいというほどまでの情熱は持ち合わせていません。 とはいえフォーを注文してパクチーが別皿で付いてたらとりあえず全入れしますし、ワカモーレを自作してみたときにはパクチーの香りがしてないとやっぱり何か据わりが悪いという程度にはパクチー支持派。
一方ニケ's旦那は自宅へのドリアン持ち込み拒否、結婚式はニケの希望を尊重する形でバリでおこなったものの、ニケがインド旅行した際には同行は拒否、さらに折衝の結果、「旅行に一緒に行ってもいいギリギリの妥協線はベトナム」という結論に落ち着くなど、どちらかというと一般的食料品愛好派。 私的にはこれがどのくらいの譲歩なのかよく分かりませんが。
前置きが長くなりましたが、早い話がニケ's旦那はパクチー専門店への同行は拒否。
そんな紆余曲折などありつつ昨年末の12/23にパクチーハウス東京に行ってきました。
紆余曲折の最後の方でどんな交渉がおこなわれたのかは知りませんが、結局ニケ's旦那も引っ張っられて来てます。南無。
最初はランチ辺りにでも行こうかと思ってたんですが、どうやら昼間の営業はランチではなく、ドリンクとおつまみ、あとデザートのみということだそうです。 ということで午後からニケ夫妻と合流し、夕方の営業開始とともにお店に乗り込む計画に。 ちょっと早く着いちゃったんで店の前でウロウロしてたところ、「中へどうぞ」と言われ、お言葉に甘えて開店時間まで席で待たせてもらいました。
とりあえず、ニケが食前だというのに明石焼きの店に吸い込まれるくらい空腹で言動が不穏なため、開店時間と共にとっととオーダー。
まずは前菜っぽいあたりから。 わさびソースのカルパッチョ(¥900)、パクチーが香るスパイシー揚げ豆腐(¥650)。
カルパッチョは貝とサーモン。緑色のソースはパクチーではなくわさび風味。刻みパクチーがワンポイントですがけっこう普通にカルパッチョです。わさびソースがピリッと効いていて美味。
スパイシー揚げ豆腐は賽の目に切った硬めの豆腐をさっと揚げて塩味を付けたもの。 山椒塩か花椒塩を使ってあるらしく、このへんがつまりスパイシー。 先日といい、ここんとこ山椒風味の揚げ物に縁があります。揚げ物に山椒や花椒の香りという組み合わせが最近Mayuge内で評価上昇中。
まだまだ序盤なせいか、前菜におけるパクチーは普通に香味として上にトッピングされている程度。ニケ's旦那も
「うん、普通に美味しい(´・ω・`)」
と言いながらどんどん食べてます。 敢えてわざわざトッピングのパクチーを一緒に取ろうとはしてないことは気にしない方向で。
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| ベトナム風青いパパイヤのサラダ(¥800)。
さて、そろそろパチー専門店らしくなってまいりました。緑! パパイヤのサラダはソムタムってやつですね。以前にタイフェスティバルでも食しました。青パパイヤがシャキシャキした歯ごたえで特徴的。ここにパクチーがもっさり。
ほおばるサラダ 辛醤油で食べる生春巻き(¥350)。
生春巻きはまあ有名どころというか、パクチー入り料理といえば定番でしょう。ライスペーパーで包んだ海老と生野菜、そしてパクチーもっさり。 タレは島唐辛子を漬け込んだ辛醤油だそうです。美味しかったのであとから2本追加。
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| 今回の来店に際し、ニケが最も心待ちにしていたのが写真上段のヤンパク(¥890)。 中国北東部の料理をヒントに開発されたオリジナルメニューだそうで、もっさり敷き詰めたパクチーの上に羊肉の炒め物を乗せてみました的食品。最後にレモン果汁をひとふり。 粗挽きコショウを主体としたスパイスと塩・レモンによる味付けは、素朴にしてシンプルかつ美味。 羊の肉汁に浸ったパクチーがまたいい感じです。
下段は、チョイスが楽しい麺々(¥1189)。
…料理の名前です。念のため。 麺の種類と調理法をそれぞれ選択することで、様々な組み合わせから選べる仕組み。今回のは麺は蝦子麺を、調理法はスープ麺を選択。 在庫状況によっても変わるのかもしれませんが、その日に可能な組み合わせは店員さんに直接尋ねるといいようです。スープ麺の他に炒麺にもできるようで、組み合わせ方によっては焼きビーフンや汁ビーフン、フォーなどになるのではないでしょうか。 蝦子麺は中華食材とか売ってる店で見たことはあったんですが、食べるのは初めてです。ビーフンのような細めの麺で、歯ごたえがちょっと強め。検索してみたら海老の卵が練り込まれているようですが、つなぎなんですかね。 あっさりしたスープにもっさり入ったパクチーのコンビネーションがベーシックな感じで美味。
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| 写真上段・パクチーとぷりぷり海老のかき揚げ(¥980)。 運ばれてきてみたら予想以上の厚みがあって迫力の一品。 ほのかな塩味が付いていて、ザクザク崩して何も付けずにそのまま食べられます。 加熱したパクチーは意外なことにパクチーの香りがほぼ無く、セリの天ぷらか何かを食べてるような感じ。 これは多分パクチーが苦手な人でもまったく問題なく食べられるでしょう。 ニケはかき揚げとしては美味しいと認めつつも、パクチー料理としては特有の青っぽい香りが弱いのがやや物足りない様子。 Mayuge的にはサクサクの歯ごたえも適度なうす塩味も天ぷらとして非常によい出来だと思うので満足。
惜しむらくは中心部分に火の通りが不十分な場所がちょっと残ってた点。 Mayugeはチャレンジしたことはないですが、けっこう難しいらしいですね、かき揚げ。
写真下段・パペロンチーノ(¥990)。 ぺではなくパ。もちろんパクチーのパ。 オリーブオイルで炒めたパクチーと松の実をパスタに絡め、仕上げに生の刻みパクチーをトッピング。 火が通るとやはりパクチー特有の香りは飛んでしまうようで、トッピングの生パクチーを取らなければ普通に菜の花等のペペロンチーノのような感じ。 あと、カリっとした松の実がなにげにメインのパクチー以上に存在感を発揮しています。この香ばしさと食感がかなりの高得点。 惜しげもなくたっぷり入ってる辺りがまた嬉しいところ。
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| カクテルの欄には「パク酒」というのがあり、これはパクチーをホワイトリカーに漬けて果実酒風に作った自家製酒のようです。 これを使用したカクテルで「夏の陣」、「冬の陣」というのがありました。写真はたしかパク酒 冬の陣(¥700)。 夏の陣がパク酒をコーラで割ったもの、冬の陣が同じくジンジャーエールで割ったものとのこと。…たぶん。逆だったかも。
上に浮いているつぶつぶはコリアンダーシード。よくスパイスとして売られてるパクチーの種ですな。うちでもカレーとかピクルスに入れたりしてます。 写真はおかわりで来たものなんですが、1杯目のときはなんかコリアンダーシードが酒面を覆い尽くす勢いで投げ込まれてまして。これは大阪冬の陣の和睦の結果、掘を徳川方に埋められてしまった大阪城をイメージしています。 今考えついたデマですけど。
香りはそんなにパクチーという感じでもなく、何かのハーブが香るジンジャーエール割りといったところ。 そういえばパク酒はパクチーの葉っぱを漬けているのか種を漬けているのか聞こうと思ってたんですが忘れてました。Mayugeは種じゃないかなーと思ったんですが、両方かもしれません。実際のところは不明。
そして写真はありませんが、カクテルのところに他にも妙なものが。
キューバに自由を!パクチーフリー(¥700)
…キューバ? んー、英語的に考えてパクチーフリーとはつまりパクチーが含まれていないという意味になると思うんですが、なんかこのメニューを見てるとパクチーフリーダム的にパクチーがもっさり入っててイヤッハァ! という意味にも思えてくるから不思議です。 とりあえずニケ's旦那がチャレンジも兼ねて注文してみることに。
「こちらはパクチーが入ってませんけどよろしいですか?」
Mayugeはあと数十年くらいは生きる心づもりにしていますが、このセリフをこの店以外で聞く機会というのはおそらく今後も無いのではないかと思います。
「じゃあそれで(´・ω・`)♪」
すでにニケ's旦那は気持ち的にパクチー方面からは撤退気味。 インパクトとアルコール脳に負けて具体的にキューバの中身が何だったか忘れてしまいましたが、ラムコークだったような気がおぼろげにします。 記憶違いかもしれません。
最後にデザート、パク塩アイス 甘パクソース(¥400)。 デザートは日によって無い物もあるそうで、本日あるのはこの塩アイスのみだったため、一つ注文して3人で。 ほんのり塩味のアイスにパクチーベースの手作りジャムっぽいソース。これもパクチーの香りは強くなく、なにかのハーブっぽい感じだった気がします。ルバーブジャムとかそんな雰囲気。 食後に口の中をさっぱりさせるにはちょうどいいです。
ということで、パクチー専門店という話を最初に聞いたときには、正直イロモノ色の強い一発ネタ的な店を想像したんですが、かなり予想を裏切られました。良い方向にですが。
シンプルな味付けの料理がきっちり美味しく、パクチー以外の要素にも何かと工夫が盛り込まれた料理はどれも予想をはるかに上回るレベルです。 「なんか面白い店があるから話のネタに一度」というような勧め方ではなく、普通に「料理がひと工夫あって何を食べても美味しい店」としてお勧めできると思います。 パクチーが一切ダメって人でなければ…。
まあ上でも触れましたが、少なくともかき揚げとパペロンチーノの2点は多分パクチーが苦手な人でもけっこういけるんじゃないかと思います。パペロンチーノはニケ's旦那も絶賛。 かき揚げの方など何も言わずに食べさせればパクチーとは気付かないんじゃないでしょうか。 そもそもパクチー苦手な人をこの店に連れてきて、さらにかき揚げ食わせるまでパクチーに気付かせないこと自体が不可能だとは思いますけど。
あと、パクチー専門店に来る物好きはそこまで大量にはいないだろうと(ニケが)ふんで特に予約とかしないで行ったんですが、開店前に着いたにもかからず店はすでに予約分だけで満席直前。世の中のパクチー愛好家人口はけっこう油断ならないことになってます。 開店後間もなくでほぼ満席になってましたし、来店の際にはあらかじめ確認の電話を入れておくのが無難でしょう。
ついでに今回はチョイスに入りませんでしたがこんなメニューが。
「本日の実験(時価)」
何が出てくるかはその時々で不明。食ったらレポートを書けと。 おそらく一風変わったメニュー群は、こういった客すら巻き込む普段からのたゆまぬ努力から生み出されるものなんでしょう。 どんなもんが出てくるのか、一度試してみたいところ。
パクチーハウス東京
所在 東京都世田谷区経堂1-25-18 営業 13:30-17:00, 18:00-23:00(LO 22:00 月曜日定休) 電話 03-6310-0355
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2009年1月23日(金)02:57 | トラックバック(0) | コメント(2) | くいだおれ(食記録) | 管理
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