おもいつき
 
いきあたりばったりに。 日常とか
 


タイ米

今をさかのぼることXX年前、日本が未曾有の米の不作に見舞われたことがありまして。
Mayugeはそれまでインディカ米というのを知識としては知っていましたが、このときの緊急輸入で初めて目にしました。
ちなみに通常日本で米(うるち米)と呼んでいるのはジャポニカ種の米です。インディカ種の米は写真右上に拡大してあるようにかなり細長い外見をしています。世界的には米というとインディカ種の方が主流であり、ジャポニカ種の米は日本人以外にはあまり好まれないという話も聞きます
厳密に言えば形よりむしろアミロペクチン含量の違いが食味等への影響から考えても大きな特徴といえ、もち米などとの対比とMayugeの好みも含めて書きたいことが無くはないですが、長くなりそうだしデンプンの種類を細々書いても一般の方には情熱が伝わりにくそうなので割愛。

さて、その米不足の際に緊急措置としてタイ、アメリカ、中国などから米が急遽輸入されたんですが、このうちアメリカ、中国の米は日本と同じジャポニカ種で、タイ米のみがインディカ種でした。このため、あまりにも日本米と違う食味からタイ米は不人気となり、スーパー等ではタイ米の在庫処分に苦労したようです。
当時、スーパーで5kgの国産米を買うためにそれまでの2倍程度の金額を払い、さらに中国米とタイ米の2kgの袋が縛り付けられて売られていたのを憶えています。いまだに気になってるんですけど、これって独占禁止法かなにかに触れない?
憶えていますというか買ったんですが。で、国産米を食べ終えた後、中国米を炊いて食べ、最後にタイ米を炊飯器で炊いてみたんですがどうにも「ごはん」と言われて想像する物からはほど遠く、消費しきれませんでした。当時、このタイ米をなんとか日本米っぽく炊く方法として色々胡散臭い方法が雑誌や新聞、テレビなどで紹介されてまして、一部は試したんですがいずれも大げさな口調ほどの効果はありませんでした。

さて、そうこうするうちに翌年は一転して米が豊作となり、米不足はあっという間に忘れ去られ、タイ米は美味しくないというイメージだけが日本に浸透してしまったように思います。
しかしこの時に色々と流布した「タイ米を日本米風に誤魔化す方法」とは一線を画するタイ米調理法として、「美味しんぼ」に紹介されたインディカ米本来の伝統的な炊き方というのがMayugeの印象に残りまして。インディカ米は日本の米のように「炊く」のではなく、パスタのように大量のお湯で「茹でる」のが正しい炊き方なんだそうです。
米を茹でるという発想自体が目から鱗だったことと、以前から耳にしていた「東南アジアで食べたインディカ米がすごく美味しかった」という噂と、家で炊いてみたタイ米とのギャップはまさにここから来ているのではないかと鮮烈に印象に残ったのですが、世の中はすでに日本米一色。そもそもタイ米がどこにも売ってません。

さて、この前、一連の工作のために工具や材料を探して部屋の奥を荒らし回ったとき、引っ越し以来全然開けていなかった箱の奥からこの時のタイ米が一袋出てきまして。
あー、そういえば2袋タイ米を買わされて、一袋目を消費しきらないうちに米不足が終わったんでしたか。



開封してみましたが虫などはわいておらず、ひどく古米臭いとかいうこともないようです。どうやら未開封で暗所に詰め込まれたまま忘れ去られていたのが幸いした様子。

ということでタイ米を茹でてみようの会。
とにかく方法はそうとう昔に読んだマンガのうろ覚えでは心許ないので検索。

マンガのうろ覚えより詳細な情報は手に入りませんでした。

仕方ないのでうろ覚えに従って作業開始。
まずは普通の米と同じように水で米をとぎます。
同時に大きめの鍋にお湯を沸かし、十分に沸騰したらタイ米投入。そのまま沸騰させつつ茹で続けます。まるっきりパスタ茹でてる風味。



そのまま沸騰させ続けること約10分。米粒が透明になってきたら加熱終了。この時点で試してみたところやや芯がある感じ。
このまま鍋を火から下ろし、ゆっくり傾けて煮汁を捨てます。



そしてお湯を捨てたあとまたフタをし、そのまま蒸らすこと約10分。よくわからないけどこのくらいで終了。
食べてみたところ、先ほどの芯の残った感じは消えており、だいたいこのくらいでいい様子。捨てきれずに残っていたお湯も何となく米に吸収されたようで、普通に炊いたご飯っぽくなっってます。
まあ粘りけがないという特徴はそのままなので、普通のご飯のようにお箸でご飯をまとめて持ち上げることはできませんが。
お湯を捨てるためタイ米の独特の香りもかなり薄まっていてクセがない仕上がりになります。ついでに古米臭もほとんどしません。掛け値なしの古米なんですが。



ということでレトルトカレーをかけてみました。モノは明治製菓の「インド風スープカレー スパイシーチキン辛口」。これだけでは寂しいのでエリンギ、カボチャ、グリンピース、コーンを適当にバター焼きにした物をトッピング。
ご飯は先ほども書きましたが、一般に言われるように日本の米と比べると粘りけが無くパラパラした感じ。ただ、炊飯器で炊いたときに感じた水気のなさというかパサパサした感触はなく、けっこうしっとりしています。さらに噛むとプチプチした食感があってなかなか面白いです。店で出てくる美味しいインディカ米はやはりこの方式で炊いた物と思われます。

Mayuge的にはこの炊き方を米不足の時に知っていれば、使い切れないどころかこれはこれで普通に主食として利用できたのではないかと思います。ご飯かといわれるとちょっと違う気もしますが。
日本米とは違った香りがありますし(個人的には悪くないと思いますがこの辺は好みが別れるかも)、食感はプチプチしてるし、どちらかというと麦飯に近いかもしれません。さすがにスープカレー系との相性はなかなかいいようです。

とりあえず調理法おさらい。

  ・パスタ鍋くらいの鍋にお湯を沸かし、よく沸騰させる
  ・米をといで水を切る
  ・おもむろにお湯に放り込んで10分間適当な火加減で沸騰させつつ茹でる
  ・お湯を捨てたあと、鍋にフタをしてそのまま10分放置

以上です。パスタ茹でられる技量のある人なら誰でもできます。
米をとぐところから開始して30分程度で炊きたてご飯が完成するというのはなかなかの利点だと思います。ポットのお湯を鍋にあけて調理を開始すれば帰宅して25分以内にレトルトカレーを完成させることも可能でしょう。
いやそんなタイムトライアルをする意味はありませんが。

とりあえず今回発掘された2kgのタイ米袋は時々この調子でカレーにして消費されそうな気配。



2007年3月13日(火)00:13 | トラックバック(0) | コメント(0) | 食糧(レシピ・栽培) | 管理

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