おもいつき
 
いきあたりばったりに。 日常とか
 


2010年6月8日を表示

博物館めぐり

鉄の処女ですよ奥さん。

何かというと好事家の間ではちょっと有名な明治大学博物館 刑事部門の展示品。旧称である「明治大学 刑事博物館」の方が通りがいいかもしれません。
大学の建物の地下に捕具、拷問具、処刑具などのコレクションを展示している一風変わった博物館です。

他人の学費でなにを趣味丸出しのコレクション買ってやがる 明治大学の前身は法律学校であることから、刑事や処罰に関する物を収集、展示する博物館を設置することとなったということです。
なるほど、法律学校なら拷問器具の一つや二つ置いてないと示しが付きませんしな。

ていうかまあ別に趣味で拷問器具を眺めに来たわけではなく、一連のバレエ小道具受注の一環。



私がディティールチェックしたかったのは拷問器具じゃなくて処刑器具ですよ。

ということで鉄の処女の隣には通称『人道的な処刑器具』、ギロチン。

今度の制作依頼は中世っぽい木枠の手錠ということでして。手枷ですな。
刑事博物館の時代からこの妙な博物館の存在は聞いていたので、手枷の実物なんかも確認できないかなーと思った次第。
結局、依頼のような形の手枷そのものは無かったんですが、木製の拘束具系の色々なものの質感や、留め金などのディティールが確認できたため、おおむね目的は達しました。

マイナー名所だと思ってたんですが意外に来館者がコンスタントにあるようで、処刑具や拷問器具の細部を熱心に撮影してるところを奇異の目で遠巻きに見られるという基本ボケをこなしてきました。
漫画家や作家などが資料集めに来て同じような目に遭ったという体験談がわりとありふれてます。



ところで博物館内にあった案内プレートの注意書き。
なんか万年筆禁止だけ浮いてませんか。インクが垂れたりするからですかね。



2010年6月8日(火)01:52 | トラックバック(0) | コメント(0) | 徒然(日記) | 管理

ガラスの靴(ビニール製)

以前に知人のところでたらい回しになってたバレエ用の小道具色々の制作を請け負った結果、いろいろ追加依頼が来るようになったことは難度かネタにしてます。

その一つであるガラスの靴(プラスチック製)について、その後、「同じく電飾入りで、ヒール型ではなくトゥシューズ型のものを作って欲しい。あと、壊れるギミックも付けて欲しい」という追加注文が来まして。
いやぁ、ガチで1回壊れるだけの機能でよければ余裕で盛り込めるんですが

まああのときは本番までそれほど時間もないタイミングで急に言われたため、とりあえず加工性優先でペラペラのPET板を使ったすごく弱いものだったんですよね。
それでも依頼主である演出家の先生にとっては「シンデレラのガラスの靴に電飾を仕込んで、暗転した舞台上で目立たせる」というのが長年の夢だったそうで、非常に喜んでもらえたようです。

で、やっぱりアレはあの後数回の舞台で使用したら壊れたようでして。むしろ数回保ったのがびっくりですが。
今回、せっかく作り直すなら、バレエの公演でシンデレラ役の女性が履いてるのはトゥシューズなのでそちらに合わせたくなったと。さらに姉達が取り合いをして壊してしまう演出を盛り込みたくなったと。
ということで「トゥシューズ型で透明素材で電飾入りで壊すことができるけど本当には壊れないガラスの靴(プラスチック製)」の注文となりました。

写真は見本に借りたトゥシューズと、それに合わせて削ったバルサ材の原型。
原型がなんかトイレのスリッパみたいとか言わない。



前回作ったバキュームフォーム台はステッキ用の星形を作ることしか考えてなかったため、靴に流用する際には靴の方を分割パーツにして納める必要がありました。
ということで今回は靴を丸ごとでも納められるサイズのバキュームフォーム台を改めて制作。
材料は角材とベニヤ板、穴の空いたボール板。枠の右下にある隙間は掃除機の隙間用ノズルを差し込むためのもの。ここに掃除機を繋いで隙間をガムテープで塞ぐ感じで。

あとは木枠へのプラ版の固定は穴を開けてネジと金属枠で押さえ、固定力を上げつつ空気の漏れを極力抑えてみました。



そして表面を紙粘土で整えて乾かした原型を置き、熱したPET板を曲げてみたところ。
おお、良い感じだ。

‥‥と思ったら板から原型が取れない。
なんとか取ってみたら紙粘土が板と癒着してダメな感じに。
不透明の素材なら別によかったかもしれませんが、とりあえず透明さは失われるし色々ダメなので原型制作からやり直し。

ということで1枚目の写真の原型はその後作り直したものの方。
この段階までに原型を作り直して没にしてという課程を数回繰り返しています。表面をきれいに加工するために紙粘土を使ったりレジンキャストでコートしたりしたんですが、どうも全体的にこの手の加工は熱して柔らかくした板と融合することがあってダメでした。バルサ材そのままの方が板とも癒着せず、また板が冷めにくくていいようです。



で、曲げる方の素材もふと思いついてPET板から塩ビシートに。
よくテーブルや事務机の上に敷く、分厚いビニールのシートを買ってきてこれをバキュームフォームし、底面を接着して靴にしました。
履き口のところはどうもきれいな形にならないため、ビニールチューブにアルミ線を通したものを巡らせて形を整えられるようにしてあります。

あと、「壊せる機能」は、前後に分割して磁石で脱着できるタイプのものを一個余分に作って解決。



暗所だとだいたいこんな感じ。
下がAパーツBパーツ分離後。塩ビシートを使用したおかげで多少の柔軟性があり、以前のもののように「ぺき」いうて割れたりはしにくくなったと思います。

最初アテにしてた型とPET板がかなり期待はずれだったせいでほぼゼロからやり直しとなり、なかなか慌ただしい工作になりましたが、なんとか2週間ほどの突貫作業で終了。

実際に作業、納入したのは1年近く前だったんですが、次の依頼があって制作を開始したのを機にちょっと収録。



2010年6月8日(火)00:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 工作 | 管理


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